心や体の健康回復を促すために、園芸療法を行う専門職が園芸療法士です。しかし、園芸療法や園芸療法士の存在は、まだ広く知られているとは言えず、普及にはいろいろな課題があります。

薬を使わずに、身体的、精神的、社会的な健康を向上させることを目的とする療法はたくさんあります。体のリハビリをする理学療法士や、日常生活の動作を練習する作業療法士などは、医療や介護の現場で活躍しています。

園芸療法士も、他の専門職と同様に、専門的な知識と技術を持った専門家です。一方で、園芸療法は他の療法に比べて認知度が低く、専門家である園芸療法士の必要性が理解されていない場合も少なくありません。

高齢者施設などで、レクリエーションとして園芸活動が行われていることはよくあります。しかし、そこでは、園芸療法士ではなく職員がレクリエーションの一環として園芸活動を取り入れていることが多く、園芸療法本来の目的や効果が十分に活かされていないケースも珍しくないのです。

園芸療法士が活躍するためには、園芸療法の認知度向上と普及が不可欠です。そのためには、園芸療法の効果を科学的に検証し、エビデンスを積み重ねていく必要があります。
また、園芸療法士の資格制度を整備し、専門性を高めることも重要です。さらに、医療機関や介護施設、教育機関など、様々な分野との連携を強化することで、園芸療法の必要性を広く理解してもらう必要があります。

これらの課題を解決していくことで、園芸療法士がより活躍できる場が広がり、多くの人々が園芸療法の恩恵を受けられるようになるでしょう。